親から引き継いだ農業ですが、兼業でしたのであまり熱心にはできていませんでした。しかし、圃場整備ができていない田圃にイノシシが出るようになりました。猪はミミズを求め畔など掘りまくり台無しにします。いつかは田圃の真ん中で猪が寝ているのを見て、人間を全然怖がっていないことにあきれました。同じ水利を利用する人と協力して柵を設置しました。
この頃から地域の農業について考えるようになり、農業は一人でがんばってもできないものだと実感しました。家族でやろうにも子供たちは手伝ってはくれません。農業者は高齢化するばかりで、機械設備は高額です。県の農業者の平均年齢は70歳となり、機械がダメになるか、自分がダメになるかで農業をやめていっているのが現状です。
自分が死んでも農地を維持するためには法人を作り、後継者を入れておく必要があります。機械は高いですが、中古を法人で調達すればなんとかなります。そのためには、圃場を拡大しなければなりません。
同じ水利組合メンバーで年齢が近い者に声をかけ3人で農業法人を設立しました。資本金100万円の小さな会社で、役員3名ですが、みんな兼業です。コンサルタントに税理士にサラリーマンがつくった会社です。また、隣地区のM君は40代と若いですが農業専業で、栽培方法、農薬、機械のこと全般に詳しく、アドバイスをお願いしました。田舎のことで隣の地区といえども氏神様が同じで祭りは一緒に活動していましたので、声をかけやすかったです。やはり田舎ですね。